Marching Memoryとは

Marching Memory

マーチングメモリ(Marching Memory、MM)は、当社シニアアドバイザーである中村維男スタンフォード大学教授が同大学Michael J. Flynn教授と共同で開発・発明した次世代半導体メモリで、従来のDRAM(動的随意書込み読出しメモリ)と呼ばれている半導体メモリに比べてメモリの読み書き速度が1000〜8000倍になるなど驚異的な性能を有しています。

驚異的な性能を発揮する動作原理。

MMは、従来のDRAMの機能上、構造上の問題を再検証し、メモリボトルネックを解消する目的で設計されました。DRAMはデータをワードとしての場所なるメモリユニットにデータを固定的に格納します。一方、MMは動的メモリユニットで構成され、データは、MMのデータ列刻みで移動していく形態をとります。

従来のメモリDRAMは、メモリの街中を縦横の道路に沿って、目的の場所に辿り着く読み書きのアクセス方式を採用しています。そのため配線のジャングルとしての構造になり、目的地に辿り着くためにより長い時間を要し、並列信号伝送のために電気回路的に生じる消費エネルギーは大変なものであります。一方、MMは、データ列が行進していくため、独立のデータをも同時にMMの端でアクセスできる特別の構造になっています。その回路はすこぶる簡単で、仮令独立した複数のデータの転送でも、実際多数の配線が存在しないことになります。

最も大切なことは、コンピュータシステムで、メモリボトルネックを解消するために、驚異的な高速度で、より少ない消費エネルギーの下でメモリのアクセスを如何に行うかということであります。従来のコンピュータでは、読み書きとしてのメモリアクセスが、中央演算処理装置CPUのCPUクロックに関る動作速度に比べ、より長いアクセス時間を要していました。したがって、総合的に十分な性能が出せないメモリボトルネックが問題となっていました。MMの動作速度はアクセスタイムが従来の1000倍以上となることから、メモリボトルネックが解消されます。

最さらに、MMは、極端に構造が簡単なことから派生して、記憶容量が100倍、信頼性が100倍、消費電力量が200分の1、製造コストが3分の1となるなど、驚異的な性能を発揮できるものとなっています。

小型・省電力化を実現。

メモリアクセスがCPUクロックに同期して動き、メモリが小型大容量化されると、現在のスーパーコンピュータの性能を、携帯電話機のような小型電子機器の中で利用出来るようになります。高度なアプリケーションが搭載可能となり、同時通訳アプリ等を処理できる新人工知能を小型電子機器に搭載出来るようになります。また、省電力化により、例えば、スマートフォンの電池充電を週1回、月1回などで済ますことができるようになると考えられます。

MMがもたらす世界観。

現代社会では、あらゆる機器にコンピュータが搭載されています。MMはこのコンピュータの性能に革命的な進化をもたらすため、小型の電子機器に人工知能(AI)ベースの情報通信基盤を与え、それによるAIベースのサービス市場を創出することになると考えられます。新たな産業革命をもたらすとさえ言えるでしょう。